標準原価による目標管理システムの構築
萩原工業株式会社様の導入効果と今後の目標
標準原価による目標管理システムの構築
萩原工業株式会社様の導入効果と今後の目標
設立 | 昭和37年11月 |
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社員数 | 437名 |
資本金 | 10億800万円 |
売上 | 180億 |
業種 | 製造業 |
事業内容 | ポリプロピレン、ポリエチレンを主原料とした合成樹脂繊維であるフラットヤーン(原糸)及びそれを製織した二次製品の製造・販売 |
導入内容 | SAP ERPの購買管理、在庫管理、販売管理、生産管理、財務管理、管理会計のビッグバン導入。また同時にSAP BWの導入。 |
導入期間 | 2002年11月から2003年12月 |
萩原工業様におけるERP導入のきっかけは、システム老朽化による運用効率の低下ですが、これまでの現場合理性を追求したシステムの弊害を振り返り、さらに事業環境の急激な変化を前にして、今後のシステムのあり方として“経営的観点からの価値創出に貢献できるシステムである”ことが重要な評価ポイントとなりました。
さらに、中国を中心とする東南アジアの国々との国際的な価格競争力の確保は、製造業全般における課題です。
萩原工業様においても、1990代年に入ってフラットヤーン関連製品の安価な競 合製品が中国・東南アジアから輸入されるようになり、シェア低下の危機に直面しました。
萩原工業様では中国へ生産拠点を展開することで価格競争力を高め、さらに、高付加価値製品の開発強化によりシェア回復、強化を実現してきました。このような事業環境を背景に、システム再構築においては、全社一元となって価格競争力の強化に取り組む基盤となる原価管理、損益管理の仕組み作りが、最も重要なテーマとして定義されシステム選定基準として掲げられました。
約6ヶ月に及ぶ検討の結果、経営に貢献するシステム、加えて価格競争力の強化を促進する情報基盤としてSAP ERP及びIPSパブリックパッケージが採用されました。
監査法人トーマツ様の支援のもと策定された原価管理・損益管理システムのコンセプトは「標準的原価を使用した顧客別・製品別・部門別利益管理を行い、経営上の資源投下先を正しく評価される事」です。
『標準的原価』とは、財務会計上の実際原価計算の方法を変更せず、管理会計目的で定義された標準的原価(目標原価)を意味します。
つまり、結果として求められる実際原価は管理目的では不向きであり、より積極的に“原価を削減する”、“利益を獲得する”為の目標となる原価を定め、全社で共有し、製造側、営業側がそれぞれ目標及び責任制を明確に理解し邁進できること、さらにその結果が評価されることにより、全社レベルでの価格競争力向上への意識を高めることを目的としています。
IPSパブリックパッケージ(プロセス系製造業:化学)では、SAP ERPによる原価管理の運用性を高める為の様々な機能を追加開発しご提供しております。
プロジェクトは当初計画(1年)から2ヶ月延長して本番稼働を実施致しました。(本期間延長における話も示唆に富んだ内容でありお客様に有用な情報ですので、また是非ご案内したいと考えております。)
カットオーバー後、大きな問題もなく、驚くほどすんなりとシステムが移行され運用が開始されました。多くの企業(取引先のERP導入済み企業、あるいはIT業界メディア…等)からあまりにもスムーズな稼働に驚きの声が寄せられたほどです。
導入2ヶ月後、その効果の一端が早くも現れてきました。上述した原価管理システム、BWによる分析システムにより、現場において利益が上がっていると思われた製品群の中にも、不採算製品になっている製品アイテムが見つかったのです。その不採算となっている金額は経常利益の約三割に相当するものであり、最重要課題として定義されました。今、萩原工業様では、動き出した新システムに対して確かな手応えを感じています。さらにプロジェクトメンバーが、今度はSAP ERPを使って効果を出すことを目標として各部門に戻り、先導して取り組んでおられます。さらなる価格競争力を目標に、萩原工業様は強力な武器を手に入れ進み出しました。
グローバルレベルでの市場競争において、価格競争力の確保は根本的な課題です。
IPSパブリックパッケージのキー・コンセプトは、そのような市場環境において、価格競争力を向上する原価管理、損益管理情報基盤の提供です。
多くの企業において原価は把握されているでしょうが、経営として“コントロール”仕組みが構築されていますか?あるいは全社が一丸となってそれらに邁進できる仕組みが構築されていますか?
IPSはそのような企業にソリューションを提供します。